群馬大学には、前橋地区に養心寮、桐生地区に啓真寮の2つの寮があります。今回は養心寮の寮生として生活している学生広報大使が、養心寮の寮長の吉長さんを取材しました。
寮生活と聞くと、管理人さんがいて、門限があったり、ご飯を作ってもらったりするような生活を想像される方も多いと思いますが、養心寮はそうではありません。養心寮は自治寮と呼ばれる、学生たちが自主的に生活する寮です。寮生一人一人が規則を守るように呼びかけ、快適に生活できるような工夫をしています。寮生は130人近くいるため、お互いの妥協点を探し、規則などを全員で話し合いながら決めています。
寮長の主な仕事は、寮の管理人と毎週打ち合わせを行い、毎週月曜日に行われるブロック会議で寮生に伝達事項を伝えることです。
養心寮は、各階をブロックと呼ばれる区分に分けています。
ブロック会議とは、毎週月曜日の22時から開催される連絡会議です。ブロック会議では、事前に寮長から各ブロックの代表者に伝達されていた連絡事項を、各ブロックの代表者から寮生に伝達する形式をとっています。
今年は新型コロナウイルス感染症の影響でさまざまな行事が中止になってしまい、積極的に新入生と関わることができなかったのですが、寮長になったことで、連絡を伝達する際などに、様々な人とコミュニケーションをとることができ、人との関わりが増えました。そこがよかったところです。
いっぱいあります(笑)そうですね。言いたくないことを言わなくてはいけない立場であることです。規則を守れない人がいる場合、寮長として毅然とした態度をとらなければならず、嫌われ役にならなければならない。それがつらいです。また、今年は新型コロナウイルス感染症のために行事を中止する決断をすることもつらいです。本当は、私もみんなと楽しく行事をしたいので・・・。
例年であれば4月に新入生の歓迎会を行っていましたが、今年は中止になりました。入寮したばかりの1年生はとても不安だったのではないかと思います。上級生の私たちも顔を知らない人と暮らすのは寂しい部分がありました。
新型コロナウイルス感染症が落ち着くまでは、積極的に寮生が集まることはできませんが、普段すれちがったときにあいさつをするなど、日常生活のなかで少しずつお互いの顔を知っていきたいと思っています。
地域の方などの寮の外部との交流を図りたいと思っています。例年であれば、地域の方と交流する機会もあったのですが、新型コロナウイルス感染症の影響により、どのように地域の方との交流を行っているか知らない世代もいます。そのため今年は形にこだわらず外部との交流ができればいいな、と思っています。
寮に帰ってくると絶対知っている友達がいて、話したいときに話せるし会えるし、Ⅰ人じゃないと思えるところです。
全部自分たちでやらなければいけないので、毎週掃除当番が回ってきたりするところがめんどうくさいと感じてしまうこともあります。
掃除当番など大変なこともありますが、養心寮には全学部から群大生が入寮するため、学部を越えたつながりができます。一人暮らしや実家暮らしなどでは出会えない友達ができるのです。
想像していた寮生活と違うと感じる方もいるかもしれませんが、養心寮では他ではできない経験ができると思います。「『楽しい』の裏側をつくる」ことができるのが養心寮です。
寮のことを知ってもらえるのはうれしいと思いました。噂だけで寮はひどいところと思われがちなので、それを払拭できるいい機会だと(笑)
私は、養心寮はとても楽しいところだと思っています。
養心寮は古く歴史ある寮です。その外観と内観はまるで廃病院のよう!?寮の行事では、寮を舞台にした短編ホラー映画を撮ったことも。
卒寮して10年が経ちました。私は現在、都内の消化器内科のクリニックで看護師として勤務しています。養心寮で過ごして良かったことは、心から信頼できる仲間ができたことです。養心寮が自治寮であることや、様々な行事に参加することによって、寮生とたくさんの時間を共に過ごしたからこそ得られたのだと思います。
今の私の生活に活きていることは、学生時代と変わらず同期とつながりがあることです。飲み会をしたり結婚式に参列したりして、同期から幸せのお裾分けをもらっています。先日は作業療法士の同期からもらったアドバイスを職場で活かし、患者さんの力になることができました。
私にとって養心寮はまさに心を養ってくれた場所です。一生の仲間をくれた養心寮に感謝しています。