自然豊かな土地にある桐生キャンパスで、最も目を引く群馬大学工学部同窓記念会館と、桐生キャンパスで、最も利用される理工学部図書館について取材しました。
同窓記念会館は、1916(大正5)年に群馬大学理工学部の前身である桐生高等染織学校の校舎として竣工されました。現在の同窓記念会館は、当時の本館の一部とそれに附随する講堂を1972(昭和47)年に移設し、2017(平成29)年に大規模な耐震改修を施したものです。構造は木造(日本のスギを使用)、延面積987㎡(本館は2階建て、講堂は平屋)で、屋根の端にある破風の装飾や玄関アーチの形などに、柱や梁などの木の構造材が外にむき出しにすることで印象的に見せるイギリス建築のチューダー様式の意匠が見られます(写真参照)。目を引く水色の外観は修復の度に色が塗り替えられています。現在は竣工当時の色になっていますが、OB・OGの方の中にはピンク色の同窓記念会館で卒業式をした方もいるそうです。同窓記念会館は、工学部守衛所、旧桐生高等染織学校正門とともに1998(平成10)年に国の登録有形文化財に登録されており、数々のドラマや映画の撮影地にもなっています。
同窓記念会館は平日9時~16時、休日(第一土曜日と毎週日曜日)10時~15時に開館しており、入館料は無料です。講堂部分と本館の2階の一部が一般公開されています。2階部分にはかつての校長室や、応接間、そして記念品や卒業生の業績が分かるパネル展示があります。特に校長室には、歴代校長の写真と共に、使用された旗が置いてあるだけでなく、一面だけ当時の壁紙が残されています。他の壁面は当時のものに合わせて後から作られたものとなっています。ぜひどの面が当時のものか探してみてください。 個人なら予約不要で館内を見学することができます。群馬大学の学生であれば、担当の先生の許可がある場合、サークルのイベントなどに利用することも可能です。 桐生キャンパスを利用する際には、ぜひ同窓記念会館にも足を運んでみてください。
理工学部図書館は桐生キャンパス内にあり、群馬大学学生や教職員をメインに学外の方にも解放されています。2013(平成25)年4月に改装された4階建ての建物内には、図書資料がおいてあるだけでなく、個人が学習するための閲覧室や、「Ricomo」や学修室などの複数人での学習の場、さらには小規模な講演や講義に使える多目的ホールなど利用者の様々なニーズに応えてくれます。特に「Ricomo」には多読用の資料やTOEIC等の英語の学習のための資料が多くあり、移動可能なテーブルを用いて複数人で学習ができるため、日々多くの学生が利用しています。
理工学部図書館は総合情報メディアセンターとして機能しており、3階と4階部分には計202台の教育用端末があり、4階部分は講義でも使われています。館内は飲食禁止ですが、リフレッシュコーナーや中庭では飲食可能のため、ランチ時の利用にも最適です。特にリフレッシュコーナーでは、カウンター、テーブル、ソファなどが設置してあり、新聞や資料を読むこと、コーヒーブレイクを楽しむこともできます。
また、学生向けイベントも多く開催されています。例えば、桐生キャンパスに移動してきた新2年生向けに開催される理工学部図書館ツアーでは、より詳しく理工学部図書館の魅力に気づくことができます。また、図書室の前にある展示資料のテーマは定期的に変わる理工学部図書館ため、新しい世界との出会いのきっかけを見つけることができます。また、季節のイベントごとに、キャンペーンプレゼントをもらえることもあります。理工学部図書館では、学習の場として最適なだけでなく、職員の方が毎回足を運ぶ楽しみを作ってくださるので、より多くの学生や教職員の方に利用してもらう機会が増えるといいなと思います。
今回は新型コロナウイルスの影響で直接取材はできませんでしたが、理工学部図書館担当職員の方に質問に答えて頂きました。